2023-03-29 15:01

ロシア勢の扱い、まだ不透明=復帰には高いハードル―IOC

 国際オリンピック委員会(IOC)がロシアとベラルーシの選手の国際大会参加を条件付きで認める立場を示したことで、両国選手は2024年パリ五輪参加への望みがつながった。ただ、国際大会の参加可否は各国際競技団体(IF)の判断に委ねられる。五輪予選に参加できるかは依然として不透明だ。
 IOCのバッハ会長は「参加を推奨しているわけではない。非常に厳格な条件を出した」とハードルの高さを強調した。個人資格で「中立」の選手は認めるものの、団体競技や団体種目からは除外。ロシアは軍と関係の深い選手も多いが、軍所属選手を認めず、同国オリンピック委員会は「受け入れられない」と反発した。
 バッハ会長は、昨年2月の除外勧告は選手の安全を確保するための「保護措置」だったと説明した。方針転換の理由として、中立の立場で個人参加が容認されているテニスなどを例に挙げ、「安全に関する深刻な問題は報告されていない」と主張。「誰もがパスポートに基づいて差別されない権利がある」と訴えた。
 パリ五輪予選は間もなく本格化する。国際フェンシング連盟は先に両国の復帰を認めたが、世界陸連は除外継続を決めたばかり。IFによって対応は分かれそうだ。
 IOCは両国のパリ五輪参加可否は、今後の状況を監視して決める。バッハ会長は「非常に複雑な状況だ。1週間後、9カ月後に何が起こるか誰にも分からない」と述べ、決定時期は明言しなかった。 (ロンドン時事)

〔写真説明〕国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で発言するバッハ会長(左奥)=28日、スイス・ローザンヌ(AFP時事)