2022-03-03 19:38

ロシア、ベラルーシの出場認めず=強い反発、決定覆す―北京パラ、4日開幕〔パラリンピック〕

 【北京時事】国際パラリンピック委員会(IPC)は3日、ウクライナに侵攻したロシアと同盟国ベラルーシの選手について、北京冬季大会への出場を認めないと発表した。IPCは2日に開いた理事会で、ロシアとベラルーシの選手が個人資格による中立の立場で参加することを認めたが、4日の開会式前日になって覆した。
 IPCのパーソンズ会長は記者会見で、2日の理事会決定後に多くの国のパラリンピック委員会や代表チーム、選手が参加しない意向を示したと説明。「多くの率直な意見が寄せられた。加盟組織や加盟国、チームの反応があってこのような決定になった」と述べた。
 選手村でも、ロシアなどの参加容認に対して反発が強まっていたという。パーソンズ会長は「暴力はなかったが、それを防ぐため。選手村は平和でないといけない」と語った。一方でロシア、ベラルーシの選手に向けて「あなた方の責任ではなく、政府の行動のせいだと理解してもらいたい。安全に帰国してほしい」と気遣った。 
 ◇IPCの声明要旨
 国際パラリンピック委員会(IPC)がロシアとベラルーシの北京大会参加について、可とした2日の決定を一日で覆した。3日に発表した声明の要旨は次の通り。
 一、(2日の決定を受けて)複数国のパラリンピック委員会や代表チーム、選手が競技に参加しないと表明し、北京冬季大会の開催は危うくなった。
 一、選手村でも(決定に反発する)状況はエスカレートしており、選手の安全を確保することは不可能に近い。
 一、IPCは臨時の会議を招集し、ロシアとベラルーシの選手についてエントリーを拒むことを決めた。両国の選手は北京大会に参加できない。
 一、影響を受けたパラアスリートは、政府の行動の犠牲者。しかしロシアとベラルーシの選手が北京に滞在すると、他国が撤退する可能性があり、実行可能な競技はおそらくない。
[時事通信社]