2020-12-09 12:39

五輪に新風、ブレークダンス=パリ実施で注目高まる

 2024年パリ五輪で、若者に人気のブレークダンスが実施されることになった。DJが鳴らす軽快な音楽に合わせて、ステップを踏んだり跳ねたりしながら技の難易度や創造性を競う競技。従来の五輪にない新風を吹き込む可能性がある。日本男子の有力選手、半井重幸は「大きなモチベーションにつながる目標が増えた」と歓迎した。
 ニューヨークの貧困地区が発祥とされ、ブエノスアイレスで開催された18年ユース五輪で実施。DJが選ぶ音楽に対する身体表現の即興性や、対戦相手と何度も入れ替わっての技の応酬に会場が沸き、大成功を収めた。若者人気を取り込みたい国際オリンピック委員会(IOC)にとっては魅力的で、五輪のコスト増大が懸念される中で大規模施設が不要な点もアピール材料になった。
 日本ダンススポーツ連盟の石川勝之ブレイクダンス本部長は、五輪採用で「一般の皆さんに、愛してきた競技がより知れ渡る。子供たちに夢を与えられる」と期待を込める。ストリートで発達した経緯があることから、五輪の舞台ではスポーツの競技性とダンス本来の「カルチャー」をどう両立させるかが問題。石川氏は「どちらも本気でやりたいという気持ち」と自信を示す。
 日本選手は男女とも、国際大会で表彰台の常連。パリ五輪でもメダル獲得の期待は大きい。ユース五輪後は支援に興味を示す企業が増えており、実施決定を受けて日本連盟は一層の強化に力を入れる計画だ。