2021-04-23 19:08
追い込まれる五輪=気掛かりな世論とムード―緊急事態宣言
五輪まで3カ月の時点で東京都にまた緊急事態宣言が出る。先月下旬の聖火リレー開始直前に解除され、短期間で元に戻った。大会関係者は「こんな(宣言が出る)状況下で五輪か、というムードになってしまうと最悪だ」と世論を恐れる。
開催ありきの方針を崩さない政府と都、国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会には懐疑の目が向けられており、国民の開催への支持は広がらない。聖火リレーで機運を高めるもくろみは外れた。
変異ウイルスで感染が再び広がった。五輪関係者は「宣言はイメージが悪い。(感染者の)数が急に増えて、少し嫌な感じ」と先行きを危ぶむ。米国を含む主要な国のオリンピック委員会が、内外の感染やワクチン接種の状況によっては選手団派遣に尻込みする可能性も指摘した。
世論の風を読んだかのような政治的な動きも出ている。自民党の二階俊博幹事長が中止も選択肢との考えを示し、丸川珠代五輪担当相もこれを否定はしなかった。
開催への運営準備にも影響は及ぶ。懸案の観客数制限に関する判断をさらに先送りする方向になった。組織委関係者によると、チケットの再抽選に加え、警備やボランティア、医療体制の確保などの調整は遅れるが、6月までは待てるという。
宣言下で無観客を要請される国内スポーツの上限規制が五輪の目安になるため、感染状況が落ち着くのを待つことが狙いとみられる。その一方で「遅くとも5月末には何とかなっていないとまずい」とささやく五輪関係者も。無観客という最後のカードを残すとはいえ、先送りするほどに追い込まれ、ひいては開催可否にも関わってくる。
開催ありきの方針を崩さない政府と都、国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会には懐疑の目が向けられており、国民の開催への支持は広がらない。聖火リレーで機運を高めるもくろみは外れた。
変異ウイルスで感染が再び広がった。五輪関係者は「宣言はイメージが悪い。(感染者の)数が急に増えて、少し嫌な感じ」と先行きを危ぶむ。米国を含む主要な国のオリンピック委員会が、内外の感染やワクチン接種の状況によっては選手団派遣に尻込みする可能性も指摘した。
世論の風を読んだかのような政治的な動きも出ている。自民党の二階俊博幹事長が中止も選択肢との考えを示し、丸川珠代五輪担当相もこれを否定はしなかった。
開催への運営準備にも影響は及ぶ。懸案の観客数制限に関する判断をさらに先送りする方向になった。組織委関係者によると、チケットの再抽選に加え、警備やボランティア、医療体制の確保などの調整は遅れるが、6月までは待てるという。
宣言下で無観客を要請される国内スポーツの上限規制が五輪の目安になるため、感染状況が落ち着くのを待つことが狙いとみられる。その一方で「遅くとも5月末には何とかなっていないとまずい」とささやく五輪関係者も。無観客という最後のカードを残すとはいえ、先送りするほどに追い込まれ、ひいては開催可否にも関わってくる。