2022-02-19 07:44
崩れ落ちたワリエワ=波及するドーピング疑惑〔五輪・フィギュア〕
北京五輪開幕前に誰もが金メダル最有力としたフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ロシア・オリンピック委員会=ROC)は、崩れ落ちた。大会中に明るみに出たドーピング疑惑は世界中の注目を集め、ヒロイン候補だった15歳は重圧に押しつぶされた。
ワリエワはROCの団体金メダルに貢献した翌8日、昨年12月の検査で禁止薬物が検出されたことを理由に暫定資格停止処分を科された。すぐに異議を申し立てると、ロシア反ドーピング機関は処分を解除。国際オリンピック委員会(IOC)などはワリエワの個人種目出場を止めようと動いたが、スポーツ仲裁裁判所の裁定により出場継続が決まった。
15日のショートプログラムで首位に立つも、17日のフリーでは珍しくジャンプのミスを重ねた。まさかの4位に終わると泣き崩れ、取材エリアは無言で通り抜けた。
疑いの目は、五輪金メダリストや世界女王を近年輩出する所属クラブの体質にも向けられる。演技後のワリエワをコーチのトゥトベリゼ氏が叱責するような様子が映像で伝えられると、IOCのバッハ会長は「大きな動揺を覚えた。とても冷淡に見えた」と語った。
10代前半で新鋭が続々と現れては消え、早々に引退していくロシアのフィギュア界。その現状を異様ととらえる向きもある。ワリエワをめぐる騒動は薬物問題にとどまらず、未成年者の保護や年齢制限引き上げの必要性など、リンク内外の課題も浮き彫りにした。 (時事)
ワリエワはROCの団体金メダルに貢献した翌8日、昨年12月の検査で禁止薬物が検出されたことを理由に暫定資格停止処分を科された。すぐに異議を申し立てると、ロシア反ドーピング機関は処分を解除。国際オリンピック委員会(IOC)などはワリエワの個人種目出場を止めようと動いたが、スポーツ仲裁裁判所の裁定により出場継続が決まった。
15日のショートプログラムで首位に立つも、17日のフリーでは珍しくジャンプのミスを重ねた。まさかの4位に終わると泣き崩れ、取材エリアは無言で通り抜けた。
疑いの目は、五輪金メダリストや世界女王を近年輩出する所属クラブの体質にも向けられる。演技後のワリエワをコーチのトゥトベリゼ氏が叱責するような様子が映像で伝えられると、IOCのバッハ会長は「大きな動揺を覚えた。とても冷淡に見えた」と語った。
10代前半で新鋭が続々と現れては消え、早々に引退していくロシアのフィギュア界。その現状を異様ととらえる向きもある。ワリエワをめぐる騒動は薬物問題にとどまらず、未成年者の保護や年齢制限引き上げの必要性など、リンク内外の課題も浮き彫りにした。 (時事)