2022-02-19 07:29

団体の銅は想定以上=後半距離の強化半ば〔五輪・ノルディック複合〕

 【北京時事】ノルディックスキー複合は17日の団体で全種目を終了し、日本勢は団体と渡部暁斗(北野建設)の個人ラージヒルで銅メダルを獲得した。団体は荻原健司らのチームで連覇した1994年リレハンメル大会以来のメダルで、渡部暁は日本選手初の3大会連続表彰台の快挙だった。
 団体では、ともに3大会連続出場だった中堅の渡部善斗(北野建設)と38歳の永井秀昭(岐阜日野自動車)が地力を示し、24歳の山本涼太(長野日野自動車)は後半距離のスパート勝負で3位争いを制した。他チームとの実力差を冷静に分析し「間違いなくメダル候補ではない」と考えていた河野孝典コーチにとっても想定以上の結果だった。
 距離の練習時間を増やし、上半身よりも下半身の使い方を意識するなどの強化が生きた形。ただ、走力強化は道半ばという面もある。日本がノルウェー、ドイツ、オーストリアの3強に近づいたかについて、河野コーチは団体戦後、「きょうの試合だけでそれを語るのは言い過ぎ」と話した。強豪同士がけん制し合い、中盤に体力を温存できる展開に恵まれた部分もあった。
 一方で河野コーチには「若い選手(の走り)が速くなっている」との手応えも。個人戦では渡部暁以外は入賞もできなかったが、山本はワールドカップ(W杯)で表彰台に上っている実力の一端を団体で見せた。個人ノーマルヒルに出場後はサポート役に回った21歳の谷地宙(早大)も含め、4年前に比べて若手が元気で、先につながるチームづくりは進められている。
 渡部善は「もっといい色のメダルを取るチームになるような時代を、ここから始めないといけない」と言い、再開するW杯の戦いを見据えた。
[時事通信社]