2021-04-22 07:58

「膝つき」禁止、変更せず=選手委の提言受け―IOC

 【ロンドン時事】国際オリンピック委員会(IOC)は21日、五輪の会場内や表彰式で政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁止した五輪憲章第50条を変更しないと発表した。東京五輪でも反人種差別への連帯を示す膝つきなどの行為は処分の対象となるが、会場外なら問題視しない。
 米国で昨年起きた白人警官による黒人暴行死事件をきっかけに、スポーツ界でも自由な意思表明を求める声が米国を中心に高まり、IOC選手委員会が第50条を修正すべきか議論を重ねてきた。現役選手ら3547人を対象にした調査では、五輪会場や開会式、表彰式での抗議行動が適切だと答えた者は14〜16%にとどまった。選手委員会は専門機関などの助言も参考に第50条を修正しないよう提言をまとめ、理事会で承認された。
 選手委員会は言論と表現の自由は基本的人権と認めつつ、「(抗議行動による)選手の政治化や外部の圧力にさらされるリスクを非常に懸念する」としている。