2021-04-02 06:32

難しい機材確保やウイルス排除=東京五輪でも課題に

 【ロンドン時事】新型コロナウイルスの影響が続く中、スポーツ大会はさまざまな安全対策を施した上で開催されている。この冬に行われた二つの世界選手権で感染対策を担当した責任者からは、今夏の東京五輪・パラリンピックも直面しそうな課題が示された。
 2月下旬から12日間、ドイツ・オーベルストドルフで行われたノルディックスキーの世界選手権には、選手と関係者合わせて約4500人が参加した。ウイルス検査は数日置きに実施され、約2万4000回で陽性反応を示したのは計10人だった。
 感染対策を主導したヤン・タウシェ医師は、医療機材を必要な分そろえるのに苦労したという。東京五輪は、選手だけで1万人以上が参加する。「検査対象が(関係者を含めて)数万人になる場合、機器や人員の確保で問題が起こるかもしれない」と指摘した。
 ストックホルムで3月24日から5日間行われたフィギュアスケートの世界選手権には、191選手を含む676人が参加した。開幕前からの検査約3000件で判明した陽性者は3人。選手ら関係者の移動を会場とホテルに制限する「バブル」と呼ばれる対策を取ったが、大会中にも1人の陽性が発覚した。
 広報責任者のフレドリク・パリン氏は「バブルをつくっていても、ウイルスを完全に入れないことはできなかった。今回は一つの会場で行う単一競技のイベントだったが、五輪規模になるとさらに難しくなるのでは」との認識を示した。