2021-03-25 21:40

組織委、初日終え安堵=密集回避「問題なかった」―東京五輪・聖火リレー

 聖火リレー初日を終え、大会組織委の武藤敏郎事務総長は「大きな問題なく予定通り実施できた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。人口集中地域のいわき市中心部で沿道に観覧客が比較的多く集まったが、肩が触れ合ったり、複数列が重なったりする状況ではなかった。武藤氏は「われわれの定義した密の状態にはなっていなかった」と評価した。
 いわき市でランナーを務めた人気お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山崎静代さんは、陸上競技場内の区間で走行。「しずちゃん」目当てに人が密集するリスクを事前に回避できた。聖火リレーが感染拡大につながれば大会機運に打撃を与えかねないため、運営側の慎重な姿勢が目立った。
 福島県によると、南相馬市内の聖火最終到着地のイベントでは、1メートル余りの対人距離が取れるとの計算から関係者を含め1000人を入場上限に設定した。実際の入場者が想定より少なかったこともあり、この日は大きな問題はないように見えた一方で、スポンサー企業のブースは飲料やグッズの配布、記念撮影などで多くの集客があった。にぎわいを呼ぶ場での感染対策徹底は、安全なリレーに欠かせないだろう。