2021-03-24 18:28

聖火リレー、25日出発=福島のJヴィレッジから―東京五輪

 東京五輪の聖火リレーが25日午前、福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)で始まる。前日の24日には東京都内で大会組織委員会の橋本聖子会長が記者会見し、「聖火のともしびが心にともるように、全力で聖火リレーを成功させたい」と福島の震災復興に思いを込めて決意を語った。さらに「参加するランナーだけでなく、地元の皆さんにも安全最優先で進めていく」と強調した。
 第1走者を務めるのは2011年サッカー女子ワールドカップ(W杯)を制した日本代表(なでしこジャパン)のメンバー。当時監督の佐々木則夫さんが会見に出席した。東日本大震災時に原発事故の対応拠点となり、復興のシンボルとされるJヴィレッジから一歩を踏み出すことには「東京五輪を成功させるスタートの一助になれることに幸せを感じている」。10年前のW杯優勝にも触れ、「スポーツの力がファイトを与えてくれることを経験している。コロナ禍は大変だが、前を向いて五輪を支えながら参加する」と力を込めた。
 Jヴィレッジでは屋内施設で翌日の出発式の準備が進められ、隊列を組んでトーチを運ぶことを想定したリハーサルも行われた。職員らは周辺を清掃して舞台を整え、日本さくらの会と楢葉町、広野町が桜苗木の記念植樹を行った。日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「われわれの聖地で聖火リレーがスタートするのは感慨深い」と話した。