2022-02-08 21:35

鍵山に若さと勢い=無欲でメダル射程〔五輪・フィギュア〕

 銀メダルの昨季世界選手権で出した自己ベストを7点余りも上回った。鍵山は五輪に2度出場した父の正和コーチと108.12点のアナウンスを聞き、「五輪でいい演技ができたことを2人で喜び合えて良かった」と満面の笑みで振り返った。
 冒頭の4回転サルコー、続く4回転―3回転の連続トーループは出来栄え点(GOE)で4点前後の加点を引き出した。「文句がないくらい。きれいに降りることができた」と自賛。小学生の頃から「大好きだった」というスピンは最高難度のレベル4をそろえた。
 柔らかな笑みを浮かべたかと思えば、コミカルな表情も見せる。表現力や芸術性を評価する演技構成点は5項目全てで9点台。スケーティング技術や演技力で10点満点を付けたジャッジもいた。
 団体の男子フリーで史上3人目の200点台に乗せた。中1日で個人戦のSPに臨み、世界歴代3位のハイスコア。「朝の時点では思ったよりきつかった」というが、18歳の若さと勢いを見せつけた。演技を終えると派手に両腕を突き上げた。
 初の大舞台でメダルを射程に捉えても「五輪を楽しめている」と繰り返す表情は、無欲そのもの。SP首位の世界王者チェンに勝てるかと聞かれ、「誰かに勝つより、自分自身を超えるのが一番」と答えた。フリーでも、この心構えを貫く。