2022-02-10 13:18

振り払った悪夢=冨田せな、強い心で銅〔五輪・スノーボード〕

 攻めの滑りで堂々の銅メダルを獲得した。高校生で出場した平昌大会は8位だった冨田せなが、4年間の成長をはっきり示した。「うれしいのと同時に、正直すごく驚いている」と心境を話した。
 1回目から勝負に出た。構成の最後のジャンプにフロントサイド1080(横3回転)を選び鮮やかに着地した。先月のXゲームズでも優勝の決め手になった技。「1本目から決めたのがすごくデカくて」。いきなり86.00点をマークすると2回目は完成度を上げて88.25点。難度を上げた3回目こそ転倒したものの、その積極的な姿勢がメダルにつながった。
 2019年に、今回五輪と同じ会場で行われたワールドカップ(W杯)で転倒して頭を強打。脳内出血があり帰国後の約1カ月間は動くことさえ止められる大けがだった。公式練習の初日には「何回も思い出すことがあった。最初は泣きながら滑っていた」と明かした。
 そんな悪夢を完全に払拭(ふっしょく)する滑り。強いハートでメダルを奪った。