2021-02-25 12:31

英、北京五輪ボイコットに否定的=ウイグル問題、火種消えず

 【ロンドン時事】ジョンソン英首相は24日の下院で、来年2月に開幕予定の北京冬季五輪・パラリンピックをめぐり、「われわれは通常、スポーツ大会のボイコットには賛成していない」と述べ、ボイコットに否定的な考えを示した。ただ、中国政府による新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族の弾圧には国際的な批判が強まっており、火種はなおくすぶっている。
 首相の発言は野党・自由民主党のエド・デービー党首の質問に対する答弁。デービー氏はウイグル問題について、「われわれの目の前で起こったジェノサイド(集団虐殺)だ。中国がこれに終止符を打たない限り、英国チームは来年の北京冬季五輪をボイコットすべきではないか」と訴えた。
 デービー氏は英国オリンピック委員会(BOA)に宛てた22日付の公開書簡でもボイコットを要求。「ウイグルの虐殺を止めるため、あらゆる手段を使うべきだ」と主張している。
 首相はボイコットに慎重な考えを示す一方、「ウイグルに対する恐怖の活動に焦点を当てるのは正しい」とも指摘。国際社会と連携して中国に説明を求めていく方針を強調した。
 五輪をめぐっては、ソ連のアフガニスタン侵攻を受けて1980年のモスクワ五輪を西側諸国がボイコット。84年のロサンゼルス五輪では東側諸国が報復でボイコットした経緯がある。