2022-02-15 17:38

大舞台で自分らしく=17歳村瀬、理想の滑り〔五輪・スノーボード〕

 村瀬は両手を突き上げ、最高の笑顔で表彰台に立った。「信じられない。家族、友人たちを思い浮かべながら『取ったよ』という気持ちで上がった」。冬季五輪の日本女子で最年少メダリストとなった17歳は喜びをかみしめた。
 メダル獲得の決め手は、2回目のフロントサイド1080(横3回転)。思い切り踏み切って高さを出し、板をつかむグラブも完璧。回転、着地もぴたりと決めた。「めっちゃ跳んで、グラブを長くして、ビタビタにちゃくって(着地して)やろうという気持ちで、それができた」。納得の滑りだった。
 誰からも格好いいと思われるスノーボーダーが理想像。それを大舞台で披露し、91.50の高得点をマークした。3回目は転倒しただけに、2回目でメダル圏内に浮上したことが大きかった。
 東京五輪を機に練習にスイッチが入り、今季の成長にもつながった。仲の良いスケートボード女子の西村碧莉が出場し、その姿に刺激を受けた。以前は同じことを何度も繰り返す練習に飽きてしまうこともあったが、集中できる時間が長くなり、反復練習が増えた。周囲も驚く変化だった。
 今大会の前には村瀬から西村に連絡し、五輪の雰囲気などについてアドバイスを求めたという。10位に終わったスロープスタイルの後にも、西村から励まされた。友人の力もメダル獲得には欠かせなかった。
 子供の頃からの夢だった五輪のメダルを手にしたが、まだ高校2年生。「4年後はさらにレベルが上がると思う。格好いい滑りを意識して、メダルを取れるように頑張りたい」。今後も自分らしく高みを目指す。