2021-02-12 21:25

「発言許されない」「性差別反対」=森氏辞任でパラスポーツ界

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視発言の責任を取り辞任表明したことを受け、障害者スポーツの関係者は、厳しい批判から今後の組織運営への注文までさまざまな声を上げた。
 1984年ロサンゼルス五輪女子マラソン代表で、日本パラ陸上競技連盟会長を務める増田明美さんは「今回の発言は許されない」と怒る。一方で「五輪とパラを分け隔てなく応援してくれた。世界とのパイプ役や各界との調整などの功績は大きかった」と森氏の功績にも触れた。
 東京パラ陸上走り幅跳び(義足)代表に決まっている山本篤(新日本住設)は「五輪では男女平等をうたい、出場人数の比率も同じにしようという流れの中で、あまり良くなかった」と批判。新型コロナウイルスの影響が続く中、「(東京パラが)開催される可能性があるなら、そこを信じてやっていくだけ」と強調した。
 冬季パラのアルペンスキー金メダリストで日本パラリンピアンズ協会会長の大日方邦子さんは、今回の騒動により「国民が五輪、パラをやれないのではないかと考える状況が加速する」と危機感を訴える。後任の会長に「どうすればやれるのか、納得のいく説明が必要だ」と求めた。
 日本車いすバスケットボール連盟はこの日、女性蔑視発言を受けてジェンダー平等に関する緊急声明を発表し、「性差別に断固反対するとともに、みんなが平等である組織をつくり、より良い社会を構築していくために尽力する」と宣言した。