2021-02-11 19:18

スポーツ界きっての実行力=川淵氏、五輪へ強い思い

 東京五輪・パラリンピック組織委員会のかじ取り役就任が決定的になった川淵三郎氏は、サッカー界やバスケットボール界などで要職を歴任してきた重鎮。スポーツ界きっての剛腕で数々の難題を解決してきた。
 1980年代後半、当時は疑問視する声もあったサッカーのプロ化に携わり、初代チェアマンとして93年に開幕したJリーグの成功へ主導的な役割を果たした。
 2015年には国際連盟から資格停止処分を受けた日本バスケットボール協会の改革を任され、短期間で国内男子2リーグの統合とBリーグ発足へ道筋をつけた。「俺がやらないで誰がやる。バスケットの運営に関して、俺ほど真剣に考えたやつがいるか」と語った強烈なリーダーシップで、日本協会再建とリーグ成功の礎を築いた。
 出身のサッカー界以外でも発揮してきた実行力は、コロナ禍と森会長の突然の辞任で苦境に立つ組織委でも期待されることになる。五輪開催へ懐疑論が高まる中、昨年11月には「何が何でも東京五輪を成功させましょうという言論を見たことがない。僕はそう言わなきゃならない」と熱弁を振るい、「いざ五輪がスタートしたら日本中が盛り上がるに決まっている。その心配は全くしていない」と自信を示していた。 
 64年東京五輪に出場経験があり、「開会式では感動で胸が締め付けられた」と思い返す。大会に並々ならぬ思いを持つだけに「観客のいない五輪なんて無意味」との持論もある。新型コロナウイルス対策で無観客開催も取り沙汰される中、組織委の新たな顔としての手腕が注目される。