2022-02-08 07:16

スキー板でウイグル支持?=トルコ選手に独立派称賛―北京五輪〔五輪〕

 【北京ロイター時事】北京冬季五輪のスキー・ジャンプ競技で、トルコのファティヒアルダ・イプチオール選手が用いたスキー板のデザインをめぐり、ウイグル族支持者から歓迎の声が上がっている。中国政府が新疆ウイグル自治区の安定を脅かしていると指摘するウイグル独立派が掲げる旗に酷似していたためだ。
 イプチオール選手は5日の競技で、独立派が用いる水色地に白い三日月と星が描かれた板を使用した。これを受け、交流サイト(SNS)上では「スキー競技で、中国の迫害に抗議した初めてのトルコ人選手だ」などと称賛の声が広がった。
 ところが、翌6日になるとイプチオール選手は、三日月や星のマークがない水色の板に変更した。トルコには民族的につながりのあるウイグル族約5万人が住むが、イプチオール選手の意図は不明。ロイター通信の質問には「答えたくない。私はスポーツ選手で、自分の仕事をするだけだ」と語った。
 国際オリンピック委員会(IOC)は、競技で政治的象徴を掲げることを禁じている。トルコのオリンピック委員会は、イプチオール選手のスキー板について「政治的な意思表示ではない。トルコ国旗にも白い三日月と星が描かれている」と説明した。