2021-02-12 12:33
追い込まれて幕引き=森氏引責、遅きに失す
森喜朗氏が大会組織委員会会長を辞することになった。女性蔑視発言から8日。発言の釈明会見が「居直り」などと批判された。アスリートや大会スポンサーなどから非難の声が次々上がった。国際オリンピック委員会(IOC)や東京都知事からはしごを外され、身を引くしかなくなった。
競技団体の女性理事をおとしめる発言は、あらゆる差別を認めない五輪憲章の根本原則に反している。森氏をトップに据え続けることは、東京五輪のホスト国である日本への疑念につながりかねない。それでも組織委の動きは鈍かった。大会関係者は「世間を甘く見ていた」と断じた。
組織委が12日に開く臨時会合は「合同懇談会」。理事と評議員、監事を集めて意見を聞くという形式で、当初は会合を経て会長続投の流れだったとされる。幹部の一人は「こんな会合を開いて(会長に)残るということになったら、組織委がさらにバッシングされる」と懸念していた。森氏が自ら幕を引く形とはいえ、遅きに失した。
森氏の謝罪で問題は終わったとしていたIOCが、世間の風向きを読んで「完全に不適切」と批判に転じた。大会関係者は「あれが大きかった」と言う。小池百合子都知事はトップ級4者会談を欠席する意向を示した。これで追い込まれた。
組織委には危機意識が欠けていた。副会長を兼ねる日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は続投を後押しし、理事の室伏広治スポーツ庁長官は公式のリリースで問題発言にすら触れなかった。世論と逆行するように森氏を擁護した政治家もおり、ある五輪関係者は「日本は成熟度が低い」と嘆いた。
競技団体の女性理事をおとしめる発言は、あらゆる差別を認めない五輪憲章の根本原則に反している。森氏をトップに据え続けることは、東京五輪のホスト国である日本への疑念につながりかねない。それでも組織委の動きは鈍かった。大会関係者は「世間を甘く見ていた」と断じた。
組織委が12日に開く臨時会合は「合同懇談会」。理事と評議員、監事を集めて意見を聞くという形式で、当初は会合を経て会長続投の流れだったとされる。幹部の一人は「こんな会合を開いて(会長に)残るということになったら、組織委がさらにバッシングされる」と懸念していた。森氏が自ら幕を引く形とはいえ、遅きに失した。
森氏の謝罪で問題は終わったとしていたIOCが、世間の風向きを読んで「完全に不適切」と批判に転じた。大会関係者は「あれが大きかった」と言う。小池百合子都知事はトップ級4者会談を欠席する意向を示した。これで追い込まれた。
組織委には危機意識が欠けていた。副会長を兼ねる日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は続投を後押しし、理事の室伏広治スポーツ庁長官は公式のリリースで問題発言にすら触れなかった。世論と逆行するように森氏を擁護した政治家もおり、ある五輪関係者は「日本は成熟度が低い」と嘆いた。