2021-02-06 07:50

技術固めるプレシーズン=ジャンプの高梨沙羅、五輪に焦点―北京、あと1年

 ジャンプ女子の北京五輪プレシーズンは、出だしから度重なる予定変更に選手が翻弄(ほんろう)された。経験豊富な24歳の高梨沙羅(クラレ)にとっても初めての状況だが、五輪の金メダル獲得という目標はぶれない。今季は結果を求めながらも「自分のスタイルを作り上げたい」との思いで臨んでいる。
 3位だった2018年平昌五輪の後、一からジャンプを見直してきた。昨季までにスタートや助走姿勢はほぼ固め、今は助走のスピードを踏み切りからジャンプの最高点までスムーズに伝える動きを意識。試行錯誤を重ねながらワールドカップ(W杯)を戦っている。
 今季のW杯は新型コロナウイルスの感染拡大で予定より2週間遅れ、12月18日に初戦が行われたが、第2戦までは約1カ月空いた。ペースをつかむのが難しい中、年末年始も欧州に滞在して練習を続け、「自分の部屋にいる時間が長く、頭の中を整理する時間はあった」と振り返る。
 今季は既に3勝と強さが際立つマリタ・クラマー(オーストリア)や、ノルウェー、スロベニア勢の好調ぶりが目立つ。高梨は1月末までに4戦を戦い、表彰台は2位と3位が一度ずつ。「シビアなレベルの高さになってきている」と競争の激しさを感じているが、きっちりジャンプ台に合わせる力を発揮している。
 コロナは依然収束せず、今夏の東京五輪開催が危ぶまれる状況。北京五輪も開催に確信は持てないような現状だが、「こうして競技をさせていただけることがありがたい」と、前向きに自身のジャンプと向き合っている。