2022-01-11 20:31

内村は「スポーツ界引っ張った」=山下JOC会長が称賛

 体操男子の内村航平の現役引退を受けて、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は11日、「長きにわたって日本体操界はもちろん、日本スポーツ界を引っ張ってくれた。まずは頑張ってきた精神と体を褒めていたわり、休んでくれたらなと思う」とねぎらった。東京都内で報道陣の取材に応じた。
 山下会長は引退後の内村について「さまざまな可能性がある。周りの期待には十分応えてきたので、行きたい道をよく考えて進んでいくことが大事」と話した。国民栄誉賞の授与に関して水を向けられると、「十分値すると思う。彼の頑張りは国民への影響が大きかったと思う」と語った。
 内村は、新型コロナウイルスの感染拡大により東京五輪開催が不透明な状況だった2020年11月に「五輪ができないのではないかという意見が(調査で)80%を超えている。どうしたらできるのか、という考えに変えてほしい」と訴えた。山下会長はこの発言を念頭に「アスリートの代表として自分が先頭に立たないといけない、という思いがあったと思う。非常に感謝の気持ちでいっぱい」と振り返った。
 内村と同時期にフェンシングで活躍し、北京、ロンドン両五輪でメダルを獲得した国際オリンピック委員会(IOC)選手委員の太田雄貴氏はツイッターで、「年齢を重ねていくごとに、チーム、そして後輩を思う発言はまさに理想のキャプテンでした」とたたえた。