2022-01-05 12:57

4回転半「いつか跳べる」=平昌に続き複数メダルも―本田武史さん、フィギュア男子展望

 北京五輪フィギュアスケートの日本男子は、3連覇を狙う羽生結弦(ANA)と平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(トヨタ自動車)、昨年3月の世界選手権2位の鍵山優真(オリエンタルバイオ)の布陣で挑む。五輪に2度出場した本田武史さん(40)がインタビューに応じ、「表彰台に2人は乗るのではないか」と複数のメダル獲得を期待した。
 ―羽生が史上初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)成功を目指す。
 昨年12月の全日本選手権では、軸づくりや回転のかけ方という大事な練習をたくさんしていた。初日の練習が一番まとまりがあり、いつか跳べると感じた。試合ではアドレナリンが出て、降りられることもある。だからこそ、形をつくっておくことが大事になる。
 ―4回転半を決めての3連覇を狙う。
 (世界選手権を制した米国の)ネーサン・チェンらの勢いも感じているだろう。しかし、彼らを上回る目標設定をしていることが、モチベーションにつながっていると思う。
 ―宇野は4回転を4種類5本という高難度構成に挑み続けている。
 今シーズンはものすごく練習量が多く、質も高い。調子が良くなくても決まるパターンをつくろうとしてきて、(成功の)確率が高まった。
 ―2019年には不振も経験した。
 今はスケートを楽しんで、高い位置に行こうという目標ができている。苦しい時期に諦めず、踏ん張った。ステファン・ランビエル・コーチとの出会いもプラスになった。
 ―鍵山の成長をどう見るか。
 大舞台で実力を発揮できる選手。五輪で(3種類目の4回転の)ループを入れたいとも言っており、まだ伸びしろもある。
 ―長所は。
 膝、股関節が強いようだが、柔軟性もあり、ジャンプを降りる際に(衝撃を)抑えられる力がある。滑りも伸びがあり、トップスピードになるのが早い。
 ―海外のライバルについて。
 チェンはこの4年で安定感が上がった。(昨年10月の)スケートアメリカで連勝が止まったことで逆に気持ちが落ち着き、強くなった部分もあると思う。ビンセント・ゾウ(米国)に加え、ミハイル・コリャダ(ロシア)もジャンプが決まれば上位に入ってくる。 
 ◇本田武史さんの略歴
 本田 武史さん(ほんだ・たけし)98年長野五輪15位、02年ソルトレークシティー五輪4位。世界選手権では02、03年に銅メダル獲得。全日本選手権は男子最年少の14歳での制覇を含め計6度の優勝を誇る。福島県出身。