2021-10-27 19:31

コロナ苦境、五輪「起爆剤に」=少雪に追い打ち、相次ぐ休廃業―スキー場関係者、第6波懸念

 昨シーズン、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来場客が減り、苦境に陥った各地のスキー場。少雪で客足が減ったところにコロナが襲い、廃業や休業も相次いだ。来年2月の北京五輪開幕まで27日であと100日。スキー場関係者は「五輪を起爆剤に」「活気を」と期待する。
 1972年札幌五輪でアルペンスキーなどの競技会場となった札幌市手稲区の「サッポロテイネスキー場」。都会にありながら良質な雪が売りで、11月下旬のオープンに向けてリフトの点検やゲレンデ整備などが大詰めを迎えている。
 運営する加森観光によると、昨シーズンは来場者数が例年より2割減った。営業グループリーダー宮川卓也さんは「国内外の観光客を失ったのは厳しかった」と振り返る。
 今シーズンは一転して、「北京五輪の開催でスキー客が増えるのでは」と期待を寄せる。夏の東京五輪で初採用され、日本勢が大活躍したスケートボード人気も好材料。「若い世代を中心にスケボー熱がスノーボードに波及してほしい」と話す。
 ただ、新規感染者数は着実に減っている中でも再流行の懸念は拭えない。宮川さんは「昨年の今ごろは落ち着いていたが、冬に感染者が増えた。第6波が来ないことを祈るしかない」と語った。
 新潟県内のスキー場は2019年度のシーズンに少雪の影響を受けたところに、コロナショックに見舞われた。県によると、6カ所が休廃業し、感染者が出たことによる一時休業も4カ所あった。
 湯沢町の「神立スノーリゾート」は19年度シーズンは客足が3〜4割減った。約70人のスタッフ総出で雪入れし、16コースを一つに減らした日もあり、営業部の斉木広光課長は「当時は雪が降ってくれることを祈るしかなかった」と明かす。
 昨シーズンはコロナの影響を最小限に抑え、県外客を中心に大勢が訪れた。従業員寮を1人1部屋にし、足りない分は周辺のホテルを借り上げるなど感染対策を徹底して乗り切った。
 今シーズンは19万人の来場を見込み、斉木さんは「北京五輪効果に期待」と語る。特に新潟はスノボー・ハーフパイプで2大会連続銀メダルの平野歩夢選手(22)の出身地。斉木さんは「新潟自体の人気が出てくればいいな」と話した。