2021-01-22 12:39

難しい濃厚接触の扱い=出場可否などの判断は?―東京五輪

東京五輪・パラリンピックの選手村=2020年4月、東京都中央区(時事通信ヘリコプターより)
東京五輪・パラリンピックの選手村=2020年4月、東京都中央区(時事通信ヘリコプターより)
 今夏に延期された東京五輪・パラリンピックで選手に新型コロナウイルスの陽性や濃厚接触が判明した際、出場可否や競技運営の在り方が問われる。その指針はまだ明確に示されていない。
 政府と都、大会組織委員会が昨年12月にまとめたコロナ対策の中間整理では、入国時、選手村入村時などに加えて原則4〜5日の間隔で検査を行い、試合前にも実施するとした。陽性者は出場させないのが基本。偽陽性の可能性なども踏まえ、無症状で陽性判定が出た場合は、再検査で陰性なら出場を認めるなどの対応も見据える。濃厚接触者の扱いは継続協議。組織委は各国際競技団体(IF)の意向も含めて検討している。
 柔道のIF関係者は「かかったら(出場は)駄目。五輪でも何でも」と話した。ハンガリーで昨年10月に行われた国際大会では、海外メディアによると、選手らに複数の陽性者が出たイタリアのチームが出場できなかった。偽陽性を防ぐため、日本陸連は「24時間後の再検査で陰性なら出場資格は保護されるべきだ」との見解を示した。
 空手のIF幹部は審判の陽性も想定し、「日本には最高ランクの審判員が多くいるが、急きょ入れ替えるなどの対応が取れるのか」と心配する。
 濃厚接触者の扱いは、さらに難しい。フェンシングの関係者は、選手村で交流が密になるとの認識を踏まえ、「最悪のケースを想定するのがリスク管理の基本」と言う。大会前の2週間以内に濃厚接触者の連絡を受けた場合は出場を認めない、との厳しい見方を示す競技団体もある。
 ◇チーム競技で人数不足も
 選手を入れ替えるにしても、カヌーのスプリントなど開始直前まで可能な個人競技に比べて、チーム内の接触が多い団体競技は対応が複雑だ。ホッケーの関係者は過密日程などを挙げ、「11人が当日そろわなければ敗戦になり、その試合を(後日に)移すことはしないだろう」と話す。
 コロナ対策の中間整理では、濃厚接触者の特定と出場可否について「開催地の保健衛生当局の判断が優先されるという見解のIFが多い」としたが、認定に時間がかかるとの懸念もある。Jリーグでは規定を厳しく独自に設定し、保健所が判断する前に濃厚接触の疑いがある選手を除いて試合を決行したこともあった。組織委幹部が「競技をあすに控えている場合などはどうするか」と言うように、難しい判断を迫られそうだ。