2021-08-21 07:31

正確なショット武器に=バドミントンの初代女王狙う鈴木〔パラリンピック〕

 東京パラリンピックから正式競技となるバドミントンで金メダルに一番近いのが、鈴木亜弥子(34)=七十七銀行=だ。上肢障害SU5クラスの女子シングルスで世界ランキング1位。「まだパラバドミントンを認知していない方が多いと思う。私が結果を出せば知名度が上がるので、結果を残したい」と意気込む。
 先天性の障害で右腕が肩までしか上がらない。小学3年で競技を始め、大学3年の時にパラに転向した。一般の人たちにまじってプレーしていた頃に培った正確なショットが武器。どうしてもスマッシュの強さに欠けることから、「相手の苦手な場所に打つことを中学生の頃から考えていた。その考えが今も体に染みついている」と話す。
 金メダル獲得へ最大のヤマ場になりそうなのが世界ランク2位のライバル、楊秋霞(中国)との対戦だ。これまで国際大会では勝ったり負けたりしている。本番での勝負を見据え、「どれだけ無駄なく、体力の消耗なく動けるか」をテーマに掲げ、フットワークの強化に取り組んできた。
 コロナ禍で大会が1年延期された間も、所属先の体育館で地道に練習を重ねてきた。「今ある環境の中で、どれだけ自分ができることを探してやるか。自分で考える力がついた」。自国開催の大舞台で、初代女王の座を狙う。