2021-08-21 07:26

目標は「金メダル以上」=卓球の岩渕、パラの魅力伝えたい〔パラリンピック〕

 卓球男子(立位9クラス)の岩渕幸洋(26)=協和キリン=は、東京パラリンピックで「金メダル以上」を目標に掲げている。頂点に立つことはもちろん、パラスポーツの魅力や可能性を多くの人たちへ伝えたい。そんな思いを強く抱く。
 岩渕は先天性の両下肢障害があり、足首の可動域が狭く左足に器具をつけてプレーする。中学1年から卓球を始め、パラ卓球に出会ったのが中学3年生の時だった。そこから着々と力をつけたが、2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックは1次リーグ敗退。「自分の試合をやっている記憶がない。すぐ終わってしまった」と振り返る。
 しかし、当時、それ以上に感じたのがパラスポーツのエネルギーだった。「こういう世界があるんだ、という驚きと感動がすごくあった。そういった世界で頑張っている人がいるというのを発信したい」。初の大舞台を通じ、新たな目標も見えた。
 リオ大会後には日本リーグの協和キリンに所属し、一般の選手とプレーをしながら腕を磨いてきた。「卓球を一から学び直す形でアドバイスをいただいてやってきた。考え方が変わった」と手応えも十分。以前と違い自分からラリーに持ち込んで得点するなど、より攻撃的なスタイルを身につけた。
 現在はユーチューブなどを通じて情報発信も行う岩渕。自国で開催されるパラリンピックでは、開会式で旗手の大役も担う。自身の活躍を通じてパラ卓球、パラスポーツの魅力を伝える大会にしたいとの気持ちが強い。「パラリンピックが盛り上がってくれれば。多くの人に見てもらいたい」と意気込んでいる。