2021-08-10 12:41

SNS、競技以上の存在感?=誹謗中傷、「ベッド破壊」も〔五輪〕

 東京五輪では良くも悪くも、インターネット交流サイト(SNS)の反応がこれまで以上に注目され、時には競技よりも存在感を放つケースがあった。
 勇気を出して問題提起したのが、体操女子の村上茉愛(日体ク)。個人総合決勝後、SNS上の誹謗(ひぼう)中傷に苦しんだことを涙ながらに明かした。自身の投稿内容に対する一部の返信について、「消去したけど、嫌なコメントを見てしまったのがすごく残念」。開催反対の世論も多かっただけに「本心を言えていない部分が、この1年はすごく多かった」とも話した。
 「ベッド破壊」も話題になった。野球のイスラエル代表が選手村で段ボール製ベッドの強度を試そうと、何人もがベッド上で飛び跳ねる様子を動画アプリに投稿した。結局は壊してしまい、ツイッター上で「炎上」。謝罪に追い込まれた。
 ほっこりする話も。男子高飛び込みのトーマス・デーリー(英国)は、競技の合間に会場で編み物をする姿がネット上で話題になり、「編み物王子」の愛称がついた。大会序盤には、日英の両国旗をあしらったメダル入れをインスタグラムで紹介。終盤に、漢字で「東京」の文字を胸に入れた大作のカーディガンを完成させると、60万件以上の「いいね」がついた。
 近代五種では、競技中に言うことを聞かない馬をドイツ代表コーチが拳でたたく場面がSNS上で拡散。国際近代五種連合は規定違反を認定し、コーチの五輪資格を剥奪した。