2021-08-09 06:15

開催国枠、生かしたフェンシング=アピール不発の競技も〔五輪〕

 1000人を超えた東京五輪の日本選手団。史上最大規模となった大きな要因が、開催国枠を与えられた団体競技だった。この機会を最大限に生かした競技があった一方、強豪との力の差を見せつけられた球技もあった。
 フェンシングの男子エペ団体の金メダルは朗報だった。エペは個人の能力こそ高かったものの、団体戦はチームとしてかみ合わず、開催国枠で救われての出場。しかし本番ではリザーブ選手の活躍もあって、ランキング上位のチームを次々と倒して頂点へ。フェンシング界初の快挙となった。
 バレーボール男子も3大会ぶりに得た出場権で成果を残した。エース石川祐希が引っ張り、西田有志や高橋藍といった若手が活躍。バルセロナ五輪以来29年ぶりの8強入りを果たし、次回以降の予選を戦う上で自信につながる経験を得た。
 対照的に苦さを味わった球技も。予選敗退が続いて久しいバスケットボール男子は1976年モントリオール大会以来の出場で、1次リーグ3戦全敗。米プロバスケットボール協会(NBA)でプレーする八村塁、渡辺雄太ら強力なメンバーをそろえたが、強豪の壁が高かった。ハンドボールは男子が33年ぶり、女子が45年ぶりの出場。ともに歴史的な1勝を記しても、8強入りはかなわなかった。「五輪で頑張ってくれると注目度が上がる」という関係者の期待には応えられず、地道な底辺拡大に立ち戻る。
 水球男子は2大会連続の出場で、最終戦でロサンゼルス五輪以来37年ぶりの白星という足跡は残した。初出場の女子は4戦全敗。開催地と時差のない東京五輪はテレビやインターネット中継で存在感を示す好機だったがアピールし切れなかった。