2025-01-15 07:05

国スポ、トップ選手参加増へ通年開催も=改革検討、競技団体にアンケート

国民スポーツ大会の総合開会式で入場する佐賀県の選手ら=2024年10月5日、佐賀市
国民スポーツ大会の総合開会式で入場する佐賀県の選手ら=2024年10月5日、佐賀市
 国民スポーツ大会(国スポ=旧国民体育大会)の今後の在り方を議論している有識者会議で、トップ選手が参加しやすい時期に各競技を分散して行う「通年開催」が検討されている。国スポを共催する日本スポーツ協会(JSPO)は、各国内競技団体(NF)へ最適な時期のアンケート調査を実施。通年開催となれば、本大会の多くの競技を秋に集中開催する現行方式から抜本的な改革となる。
 競技によって主要大会や国内リーグの時期が異なり、秋では有力選手の参加が難しい場合がある。また、集中開催することで宿泊施設や交通輸送手段の確保が課題になる面もある。
 昨年11月の有識者会議では、近年の国スポのブランド力低下を指摘する声が上がった。トップ選手参加で大会の注目度が上がり、観戦を有料化する競技を増やして大会経費に充て、開催地の財政負担軽減につなげる意見も出ている。一方で、分散開催により競技の枠を超えた交流が減る懸念はある。
 各都道府県が持ち回りで開催する原則は維持しつつ、一部競技で会場を固定する「聖地化」や、開閉会式を行う施設基準の弾力化など、改革案の方向性は固まってきた。3月の有識者会議で提言が取りまとめられた後、JSPOは4月の理事会で審議する。
 国スポは持ち回り開催で現在2巡目の後半。JSPOの遠藤利明会長は、3巡目を待たずに改革していく可能性に触れ、「持続可能な大会にどうやって持っていくか。次なる新しい大会の在り方について、力を合わせて進めていく」と語っている。