2024-12-12 15:11

準備遅れで異例の覚書=26年愛知・名古屋アジア大会

 愛知県と名古屋市が共催する2026年アジア大会の開催準備が遅れているとして、アジア・オリンピック評議会(OCA)が大会組織委員会に改善を求めたことが10日、分かった。複数の関係者によると、日本オリンピック委員会(JOC)を含む3者間で開催都市契約を順守するとした異例の覚書を6日付で締結した。
 OCAは選手の宿泊先や輸送計画を含む複数の項目で、不備や準備の遅れを指摘。覚書には宿泊施設の確保や開催半年前までのテスト大会の実施、OCA理事会の決定事項の順守に加え、違反した場合の罰則も盛り込まれた。 
 組織委は経費削減のため選手村の建設を断念し、ホテルやクルーズ船の活用を代替案として提示。しかし、選手同士の交流機会が少なくなるため、OCAは計画の練り直しを求めた。組織委は今回、宿泊施設としてコンテナハウスを名古屋港に設営する新たな案を示し、OCAは承認する条件として覚書の締結を要求。宿泊計画を問題視し、開催権の剥奪を示唆したこともあった。
 アジア大会は2026年9月19日〜10月4日、アジアパラ大会は10月18〜24日に開催される。組織委関係者は「今回出した計画を早急に実現しなければならない」と述べた。