2021-08-09 00:30
特別な五輪、様変わり=にぎわいや熱狂なく〔五輪〕
新型コロナウイルスが収束しない中で開催された東京五輪。ほとんどの会場は無観客で、選手も試合をしていない時はマスク姿。目に見える感染対策は徹底され、これまでの五輪とは全く様相を異にした。
最も象徴的だったのが表彰式。メダリストは幅の広い表彰台に立ち、皿に置かれたメダルを自分で取って首に掛ける。マスクをしたまま国歌を聴き、写真撮影時の30秒間だけ外した。もっとも、大会終盤の団体競技ではチームメートがメダルを掛け合ったり、肩を組んだりする姿も見られた。
競技を終えた選手は、報道陣の取材エリアに入る前にマスクを渡される。記者とは2メートル以上の間隔があり、マスクをしたまま大きな声を出さなければならない。質問に答えているうちに息が乱れた飛び込みの寺内健が、苦しそうな顔で「ちょっと待ってください。酸欠」と言う一幕もあった。
スタンドに観客はいないが、全くの静寂ではなかった。各国選手団の関係者が国旗を掲げて陣取り、大声で選手を応援。太鼓のような鳴り物を使う集団もいて、ハイタッチをしたり、抱き合ったりしての「密状態」も。明らかな規則違反だったが、盛り上げに一役買い、厳しい制限はなかった。
仕事を終えたボランティアが空席を埋め、プレーに大きな拍手を送ったのは、特別な大会ならでは。重量挙げの三宅宏実は「よく知っている人やボランティアの方に応援をしてもらって、幸せを感じた」。いくつかの会場では、大型モニターに選手の家族や関係者が映し出され、メダル獲得を決めた選手とオンラインで交流。新しい時代の五輪演出にヒントを与えた。
国立競技場近くにある五輪マークのモニュメントや、聖火台がある「夢の大橋」では、記念撮影に訪れた人々が長い行列をつくっていた。場内に入れない観客が「祭りの雰囲気」を感じられたのはそれくらい。テレビ越しの印象とは違い、にぎわいや熱狂が会場に感じられないまま、異例の大会は終わった。
最も象徴的だったのが表彰式。メダリストは幅の広い表彰台に立ち、皿に置かれたメダルを自分で取って首に掛ける。マスクをしたまま国歌を聴き、写真撮影時の30秒間だけ外した。もっとも、大会終盤の団体競技ではチームメートがメダルを掛け合ったり、肩を組んだりする姿も見られた。
競技を終えた選手は、報道陣の取材エリアに入る前にマスクを渡される。記者とは2メートル以上の間隔があり、マスクをしたまま大きな声を出さなければならない。質問に答えているうちに息が乱れた飛び込みの寺内健が、苦しそうな顔で「ちょっと待ってください。酸欠」と言う一幕もあった。
スタンドに観客はいないが、全くの静寂ではなかった。各国選手団の関係者が国旗を掲げて陣取り、大声で選手を応援。太鼓のような鳴り物を使う集団もいて、ハイタッチをしたり、抱き合ったりしての「密状態」も。明らかな規則違反だったが、盛り上げに一役買い、厳しい制限はなかった。
仕事を終えたボランティアが空席を埋め、プレーに大きな拍手を送ったのは、特別な大会ならでは。重量挙げの三宅宏実は「よく知っている人やボランティアの方に応援をしてもらって、幸せを感じた」。いくつかの会場では、大型モニターに選手の家族や関係者が映し出され、メダル獲得を決めた選手とオンラインで交流。新しい時代の五輪演出にヒントを与えた。
国立競技場近くにある五輪マークのモニュメントや、聖火台がある「夢の大橋」では、記念撮影に訪れた人々が長い行列をつくっていた。場内に入れない観客が「祭りの雰囲気」を感じられたのはそれくらい。テレビ越しの印象とは違い、にぎわいや熱狂が会場に感じられないまま、異例の大会は終わった。