2021-08-09 00:10
目標に迫る金27=強化費は縮小必至〔五輪〕
今大会で日本選手団は過去最高となる27個の金、58個のメダルを獲得した。新型コロナウイルスの感染拡大以前に日本オリンピック委員会(JOC)が設定した金30個の目標に迫り、世界3位。難しい状況で選手の多くは持てる力を発揮した。
金を9個と量産したのは柔道。大野将平(旭化成)、阿部一二三(パーク24)と阿部詩(日体大)の兄妹ら世界選手権の優勝経験者が地力を示した。レスリングも川井梨紗子、川井友香子(ともにジャパンビバレッジ)が姉妹で頂点に立つなど5個を獲得した。
男女別の金メダル数は男子12、女子14、混合1で、女子選手の活躍が前回に続いて目立った。新競技のスケートボードと空手、復活した野球・ソフトボールは期待通りにメダルを獲得できた。
柔道などでは大会期間中も東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)が活用された。コロナ禍で海外勢が練習時間や場所を十分に確保できない中、自国開催のアドバンテージとなった。
有力選手の思わぬ不振もあった。競泳男子400メートル個人メドレーで金メダル確実とみられた瀬戸大也(TEAM DAIYA)は予選敗退。バドミントンでは男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)が1次リーグで姿を消し、全体で銅メダル一つにとどまった。テニス女子の大坂なおみ(日清食品)もシングルス3回戦止まりだった。メンタル面の負担を訴えた選手もおり、今後の検証が必要になる。
自国開催の五輪後は強化費の縮小が避けられない情勢だ。コロナ禍であっても今年度のスポーツ強化に関連する国の予算は100億円超を維持した。しかし、大会開催の是非が問われるなど国民の視線が厳しくなった中で、今後も同等の国費を注ぐことは難しくなる。日本選手団の尾県貢総監督も「強化費が削減されることは理解している」と語る。
尾県総監督は今後に目を向け、「競技団体は収益構造を見直そうとしている。そういったところから自立が始まる」とも述べた。東京五輪の「バブル」後は、地に足がついた強化策を持続していくことが求められる。
金を9個と量産したのは柔道。大野将平(旭化成)、阿部一二三(パーク24)と阿部詩(日体大)の兄妹ら世界選手権の優勝経験者が地力を示した。レスリングも川井梨紗子、川井友香子(ともにジャパンビバレッジ)が姉妹で頂点に立つなど5個を獲得した。
男女別の金メダル数は男子12、女子14、混合1で、女子選手の活躍が前回に続いて目立った。新競技のスケートボードと空手、復活した野球・ソフトボールは期待通りにメダルを獲得できた。
柔道などでは大会期間中も東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)が活用された。コロナ禍で海外勢が練習時間や場所を十分に確保できない中、自国開催のアドバンテージとなった。
有力選手の思わぬ不振もあった。競泳男子400メートル個人メドレーで金メダル確実とみられた瀬戸大也(TEAM DAIYA)は予選敗退。バドミントンでは男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)が1次リーグで姿を消し、全体で銅メダル一つにとどまった。テニス女子の大坂なおみ(日清食品)もシングルス3回戦止まりだった。メンタル面の負担を訴えた選手もおり、今後の検証が必要になる。
自国開催の五輪後は強化費の縮小が避けられない情勢だ。コロナ禍であっても今年度のスポーツ強化に関連する国の予算は100億円超を維持した。しかし、大会開催の是非が問われるなど国民の視線が厳しくなった中で、今後も同等の国費を注ぐことは難しくなる。日本選手団の尾県貢総監督も「強化費が削減されることは理解している」と語る。
尾県総監督は今後に目を向け、「競技団体は収益構造を見直そうとしている。そういったところから自立が始まる」とも述べた。東京五輪の「バブル」後は、地に足がついた強化策を持続していくことが求められる。