2021-08-04 13:35

どこに行ったの?ミライトワ=開会式不在「演出の都合」―表彰ブーケで復権も〔五輪〕

 藍色と白の市松模様があしらわれた東京五輪の公式マスコット「ミライトワ」。海外の選手らを歓迎し、大会を盛り上げる「アンバサダー」との位置付けだが、開会式では見せ場がなく、競技会場で姿を見る機会も少ない。特技は「どんな場所にも瞬間移動できること」だが、今はどこでどうしているのか。
 五輪で採用された公式マスコットは、1972年ミュンヘン大会の「バルディ」が初めて。ミライトワとパラリンピックの「ソメイティ」はイラストレーターの谷口亮さん(46)が生み出した「デジタル世界と現実世界を自由に行き来する存在」で、小学生による全国投票で圧倒的支持を得た。
 2018年7月のお披露目以降、関連イベントに出席したり、各地の小学校を訪問したりして大会の機運醸成に貢献してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大後は影が薄くなった。本番の開会式でも主役になる場面はなく、ツイッターではお茶の間に寝転んでテレビを眺める人形の写真が投稿された。過去の大会のように競技の合間に観客を盛り上げる機会にも恵まれず、米紙ニューヨーク・タイムズは「控えめな存在」と評した。
 ただ、メダリストに渡される花束「ビクトリーブーケ」には、メダルと同色のミライトワの縫いぐるみが付いており、大会が進むにつれ注目度は高まりつつある。選手が縫いぐるみを手にほほ笑む様子が放送されると、インターネット交流サイト(SNS)では「かわいい」と話題になり、公式グッズを「衝動買いした」と投稿する人もいた。
 大会組織委員会は「開会式は演出の関係で、競技会場ではほとんどが無観客となったことで、残念ながら登場の機会がなくなってしまった」と説明。それでも、開会式の会場では選手らを歓迎し、入場行進の際は「心を込めて送り出していた」という。現在はSNSを通じた大会情報の発信が中心だが、閉会式ではその姿が見られるかも?。