2021-08-03 12:35

ロシア選手、なぜ東京五輪に=ドーピング処分も個人資格出場―ニュースを探るQ&A

 ロシアは組織的なドーピング問題で処分を受けたが、選手が東京五輪に参加している。2日からのアーティスティックスイミングでは2種目で6連覇を狙う。
 ―なぜ出られるの?
 ドーピング違反歴のない選手は、個人資格で出場を許されている。国の代表ではなく、あくまでロシア・オリンピック委員会(ROC)の選手団という位置付け。総勢300人以上に上る。
 ―7月23日の開会式でも行進していたね。
 よく見ると、振っていたのは白青赤の国旗ではなく、白地のROC旗だ。国・地域名の五十音順の入場では、ロシアの「ろ」でもRの「あ」でもなく、COR(ROCをフランス語にした頭文字)の「し」で行進した。
 ―でもユニホームは国旗カラーだ。
 「ロシア」の文字は原則として入れられないが、白青赤の使用はOK。プーチン大統領が6月末にモスクワで激励した際、選手たちは背中に「RUSSIA」と記された別のユニホームを着て、ちゃっかり「国の代表」をアピールしていた。
 ―金メダルに輝けば、国歌が流れるはずだ。
 表彰式では国歌もNGで、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」が代用されている。今大会、競泳男子で金メダル2個を獲得したエフゲニー・リロフ選手は「五輪に出られないよりはまし」と話している。
 ―ドーピング問題の影響は過去にもあった。
 2016年リオデジャネイロ五輪は、ほとんどの陸上選手が出られなかった。18年平昌冬季五輪は、個人資格でOAR(ロシアからの五輪選手)として出場。今回のような処分は、来年2月の北京冬季五輪でも続く。
 ―プーチン氏は開会式に来なかった。
 大統領を含む政府関係者の出席が禁止されていたのが表向きの理由だ。代わりにROC「大使」としてフィギュアスケートのエフゲニア・メドベージェワ選手を派遣する予定だったが、コロナ禍で断念した。