2020-11-17 12:38

具体性欠く決意表明=見通せないワクチン、観客数―東京五輪

 バッハ会長は大会組織委との会議で「フルコミットメント(責任)」という言葉を繰り返し、政府や東京都と来夏の五輪・パラリンピック開催へ連携を深めたと強調した。コロナ禍での開催への決意と、受け入れる日本側への配慮を口にしつつ、発言は具体性を欠いていた。
 ワクチンに関する言及が目立った。開幕する約8カ月後には接種が可能になるとの見立てを示し、「できる限りの参加者(選手、関係者)に受けてほしい」。延期に伴う追加費用分担は明言しなかったが、ワクチンについては「入手可能ならIOCがコストを担う」と胸を張った。
 ワクチンを接種しての来日、そのための費用負担に触れながら、「大会のホスト国、日本への尊敬の気持ちの表れ。国民の方々にも信頼してもらえ、守られていると感じてもらえる」と話した。しかし、開発、実用化の見通しがはっきりとしない中では空論にも聞こえる。バッハ会長自身も認めるように、各国で五輪に参加する選手、関係者の接種は優先度が高くないだろう。
 観客を入れての開催にも自信を示したが、選手や関係者と違い、行動を制約し切れないためリスクの要因になる。「安全な環境を提供することが最優先事項。われわれは専門知識に頼って柔軟に対応する」。観客数について明言せず、世界保健機関(WHO)などの判断に依拠すると述べるにとどめた。