日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）の山下泰裕会長は２９日、東京都内で取材に応じ、ウクライナに侵攻を続けるロシアとベラルーシの選手の国際大会復帰について、国を代表しない「中立」の立場の個人に限るなどとした国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）の方針に支持を表明した。「従来と大きくスタンスが変わったわけではないと思うが、一歩踏み込んだ」と見解を語った。
　ＩＯＣは２８日、団体競技、軍所属の選手、侵攻を積極的に支持する選手の出場は認めないとする勧告を国際競技団体（ＩＦ）に示した。
　ロシアとベラルーシの選手の扱いは、これまでも各ＩＦで対応が分かれており、フェンシングでは国際大会復帰を認めたＩＦの判断に日本を含む多くの選手が反発している。山下会長は「どうすれば皆が納得するか。バッハ（ＩＯＣ）会長も『ジレンマ』という言葉を使っているが、明確にするのはなかなか難しいと感じる」と話した。