ペロブスカイト太陽電池を高性能化=シリコン型超える発電効率に―京都大など

軽量薄型で折り曲げ可能な「ペロブスカイト太陽電池」について、京都大や英オックスフォード大などの研究グループが、高性能の多層型構造を作成する新手法を開発した。発電層の膜を塗る際の添加剤を改良して高品質の結晶を作ることに成功し、膜を複数重ねることで従来のシリコン型(26%程度)を超える発電効率を達成した。論文は英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
ペロブスカイト太陽電池は薄くて軽いのが最大の特長。フィルムなどに発電層の膜を印刷や塗布することで作成できるため、軽量化が可能で設置場所を選ばない一方、発電効率が課題となっていた。
京大化学研究所の若宮淳志教授(材料化学)らの研究グループはこれまでに、材料に鉛とスズを採用して、発電効率を高めることに成功していた。
今回は塗布前の材料溶液にアミノ酸の一種「フェニルアラニン」を添加することで結晶を高品質化。発電効率をさらに向上させるとともに、発電膜の層を複数重ねる手法を導入した。
その結果、1層では発電効率23.9%だったが、2層でペロブスカイト型として世界最高となる29.7%を達成。3、4層でも28%前後を実現した。
今後、京大発のベンチャー企業で実用化に向けた研究開発を進める。若宮教授は「ペロブスカイトを使った多層型太陽電池の開発に道筋を付けることができた。今後はさらに変換効率の高い3、4層の電池を開発したい」と話している。
[時事通信社]
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