中国首相、石破氏訪中を歓迎=「都合良いときに」自公幹部へ伝達
【北京時事】自民党の森山裕、公明党の西田実仁両幹事長らは15日、中国・北京の人民大会堂で李強首相と会談した。石破茂首相から習近平国家主席に宛てた親書を手交。石破氏が早期訪中に意欲を示していることを踏まえ、李氏は「都合の良いときに訪問していただきたい」と歓迎する意向を表明した。要人を含む日中間の人的交流や経済交流の重要性も確認した。
森山、西田両氏ら与党訪中団と李氏の会談は、1時間余り行われた。森山氏は交流推進に向け、邦人拘束や児童殺傷事件を念頭に「邦人の安全、安心の確保が不可欠だ」と指摘。日本産水産物の輸入規制にも触れ「早期に結果が出ることを期待する」と輸入再開を促した。強引な海洋進出への懸念を伝え、拉致問題を含む北朝鮮情勢についても意見交換した。
西田氏は王毅外相と李氏の早期来日を要請。李氏は「中日関係は改善と発展の肝心な時期にある」とし、信頼と協力を深化させるため、対立点を「管理」していく必要性を強調した。
訪中団は15日で3日間の日程を終えた。6年3カ月ぶりに開かれた中国共産党との日中与党交流協議会に出席し、王氏や同党序列4位の王滬寧・全国政治協商会議主席とも相次いで面会した。同行筋によると、この協議会の枠組みで序列2位の中国首相と会談が実現したのは初めて。
日本の対中外交は政党や議員間の交流が大きな役割を果たしてきたが、太いパイプを持つ自民の二階俊博元幹事長が引退。森山氏らには人脈を再構築しつつ、トランプ次期米政権の発足を控え、日中関係の改善に道筋を付ける狙いがあった。森山氏は15日、記者団に「率直な意見交換ができたことは評価すべきだ」と語った。
一方、日中が抱える懸案に大きな進展は見られなかった。森山氏は水産物輸入規制に関し「(撤廃の)時期は明確にはできないが、いい形で進行していると感じ取れた」と述べるにとどめた。自民ベテランは「台湾問題もある。『友好、友好』だけでは駄目だ」とくぎを刺した。
[時事通信社]
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