為替介入の効果強調=「過度な変動止める」―神田前財務官
2024年7月まで約3年間、財務省の国際部門トップである財務官を務めた神田真人内閣官房参与は14日、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演した。神田氏は為替相場について「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に沿って安定的に推移するのが好ましい」と指摘。投機的な動きに対する為替介入の効果を強調し、「目的は過度な変動を止めることだ」と述べた。
神田氏は22年9、10月と24年4、5、7月、急速な円安進行を抑えるため計24兆円超の円買い・ドル売り介入を実施した。「金利差が縮小しているときにも円安は続いていた。行動せざるを得ないときがあった」と回顧。介入後の円相場の反転は、過度な円安が投機的な動きだったことの証拠だと主張した。
トランプ次期米大統領が掲げる減税や関税引き上げなどの政策に関しては「一つ取ってもいろんな解釈がある」と述べ、不透明感が強いと指摘。市場が動揺した場合は政府が適切に対応するとともに、日本経済そのものの強靱(きょうじん)化も必要と訴えた。
神田氏は今年2月、アジア開発銀行(ADB)総裁に就く予定。
[時事通信社]
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