米、利下げ休止観測浮上=強い雇用、長期金利押し上げ
【ワシントン時事】金融市場で米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ休止観測が急浮上してきた。10日発表された昨年12月の米雇用統計が予想よりも大幅に強い内容となり、景気の好調さが改めて示されたからだ。一方で、長期金利の上昇傾向が鮮明になり、先行きに不確実性が広がっている。
雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月比25万6000人増と、市場予想(16万人増)から大きく上振れした。失業率も4.1%と0.1ポイント改善。FRB高官は労働市場が「完全雇用状態で安定している」と、米経済の底堅さを強調した。
米国では、インフレ率低下の足踏みを示す指標が相次いでおり、市場では「FRBの利下げ局面は終わった」(米金融大手)との観測も出ている。FRBの利下げペースに不透明感が強まり、長期金利の指標となる10年物米国債利回りは10日、一時4.79%と、1年2カ月ぶりの高水準に跳ね上がった。
米長期金利の上昇は他国にも波及。ユーロ圏金利の基準である10年物ドイツ国債利回りも昨年7月以来の高さとなった。日本の長期金利にも上昇圧力がかかりそうだ。
FRBは昨年9月以降、計1%の利下げを進めた。対照的に長期金利は急ピッチで上昇しており、市場関係者は警戒感を強めている。国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は10日、「極めて異例の事態だ」と述べ、注視する姿勢を示した。長期金利が上がれば企業の設備投資や途上国の資金調達など、経済全般に影響する。
長期金利の動きだけでなく、トランプ次期大統領が掲げる関税引き上げや減税、規制緩和といった政策の影響が見通せないことも、世界経済の先行きに影を落とす。ゲオルギエワ氏はトランプ氏が主張する高関税策は「世界経済への逆風」と憂慮している。
[時事通信社]
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