警備艇供与、安保協力を拡大=年内に外務・防衛閣僚協議―日インドネシア首脳会談
【ジャカルタ時事】石破茂首相は11日(日本時間同)、訪問先のインドネシアでプラボウォ大統領と会談した。覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、安全保障分野の協力拡大を確認。インドネシア海軍に高速警備艇を供与することで合意し、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を今年開催することでも一致した。
会談はジャカルタ郊外の大統領宮殿で約1時間50分行われ、両首脳はその後に昼食も共にした。
首相は会談で「エネルギー安全保障や防衛力の向上などに可能な限り協力したい」と表明。大統領は「日本は大変重要なパートナーだ。今回の訪問は両国のさまざまな分野における協力関係を強化するシンボルだ」と語った。
インドネシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)最大の人口と経済規模を持つ中核国。日本政府は対グローバルサウス(新興・途上国)外交のカギと位置付ける。中国の影響力が増す中、首相はASEAN重視の姿勢を示すことで存在感を高めたい考え。大統領に年内の来日を要請し、会談後の共同記者発表で「東南アジアとの連携は最優先課題の一つだ」と強調した。
高速警備艇の供与は、日本が同志国軍を支援する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の枠組みを活用する。インドネシアへの適用は初めて。日インドネシア2プラス2は2015年と21年に開かれており、次回が3回目となる。
会談で両首脳は「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」の維持・強化の重要性を共有。護衛艦の共同開発を視野に入れた防衛装備・技術協力に関する実務者協議の開始や、インドネシア軍の人材育成推進を申し合わせた。
[時事通信社]
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