初の「有罪」米大統領に=トランプ氏に判決、刑罰なし―口止め料事件でNY州地裁
【ニューヨーク時事】トランプ次期米大統領が不倫口止め料を不正に処理した罪に問われた事件で、ニューヨーク州地裁は10日、量刑言い渡しの審理を開き、刑罰を科さずに有罪とする判決を下した。収監はされないものの、同氏は20日、有罪を受けながら就任する初の米大統領となる。
一貫して無実を訴えてきたトランプ氏は、フロリダ州の邸宅からオンラインで出廷。言い渡しに先立ち「これは政治的な魔女狩りだ。私は何も悪いことはしていない」と述べ、改めて不正を否定した。トランプ氏の弁護士は控訴する意向を表明した。
トランプ氏は2016年の大統領選直前に不倫相手に支払った口止め料を「弁護士費用」などと偽って処理したとして、23年にニューヨーク州法違反で起訴された。地裁陪審は24年5月、起訴された34件の罪状全てで有罪とする評決を下した。
トランプ氏は大統領の「免責特権」が適用されると主張し評決の無効を求めてきたが、地裁は10日の判決で「大統領には陪審の評決を抹消する力は与えられていない」と強調。一方で返り咲きへの影響を考慮し、禁錮や罰金といった刑罰を免除しつつ有罪だと裁判記録に残す州刑法の規定「無条件の放免」を言い渡すことが妥当だと判断した。
検察は判決前の陳述で、トランプ氏が「反省を示してこなかった」と批判した。その上で、次期大統領という立場を尊重し無条件の放免を支持すると語った。
[時事通信社]
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