2025-01-10 19:38

すばる望遠鏡に新装置=暗黒物質など解明目指す―国立天文台など

 国立天文台と東京大カブリ数物連携宇宙研究機構などは10日、すばる望遠鏡(米ハワイ島)に一度に最大2400個の天体からの光を詳しく調べる「超広視野多天体分光器」(PFS)を新たに設置し、運用を開始すると発表した。正体不明の暗黒物質の解明や、銀河や宇宙の成り立ちの研究に役立つと期待される。
 PFSの代表研究者で同機構の村山斉教授は同日、東京都内で開かれた記者会見で「一度に大量のデータを取ることで、宇宙がどうなっていくのかという運命を予測したり、暗黒物質の性質を特定したりできるようになるのがエキサイティングだ」と話した。 
 PFSは、すばる望遠鏡の広い視野と光を集める能力を生かし、とらえた天体の光を波長ごとに細かく分ける「分光」という手法で詳しく分析。遠方の星や銀河の化学組成や年齢、距離などを測定することで、暗黒物質のほか、宇宙を膨張させている暗黒エネルギーの性質、銀河の形成史などを解明する手掛かりになるという。
 装置の開発には、同機構を中心に7カ国・地域の研究機関が参加。3月から本格観測が始まる。
[時事通信社]

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