ロシア、ウクライナ大統領が演説=侵攻3年控え自国民に訴え
ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は12月31日、それぞれ新年のビデオ演説を行った。ロシアのウクライナ侵攻開始から今年2月で丸3年となる節目を控え、プーチン氏は「われわれ」という言葉を繰り返して勝利に向けた団結の重要性を強調。ゼレンスキー氏は、ウクライナを「私のもの」と見なして防衛する国民一人ひとりに謝意を表した。
停戦を訴えるトランプ次期米統領が今月20日に就任するのをにらみ、ロシア軍は所期の目的であるウクライナ東部ドネツク州全域制圧を急いでいる。大みそかから元日にかけても間断なく、首都キーウ(キエフ)を含む各地を空爆した。
プーチン氏はモスクワのクレムリン(大統領府)を背景に「すべてがうまくいくと確信している。われわれは前に進むだけだ」と主張。志願兵の応募が下火になっている中で、軍人について「ロシアを防衛し、国民の平和と安全を保障する偉大な任務を引き受けた真の英雄」とたたえた。旧ソ連による対ドイツ戦勝80年の今年を「祖国防衛年」と位置付け、現代の侵攻と重ね合わせた。
一方、ゼレンスキー氏は自国のシンボルであるキーウの「母なるウクライナ(祖国)像」前で動画を収録した。この中で「(自由の象徴の)翼を持つ国民は巡航ミサイルでも倒せない」と力説。「そうした人々の大統領であることは誇りだ」と述べた。12月末に新たに捕虜189人が帰還したことに触れ、継戦の中でも人命を優先する考えを示した。
[時事通信社]
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