着火タイミング遅れが原因=探査機SLIMエンジン破損―JAXA
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、日本初の月面着陸に成功した探査機「SLIM(スリム)」で、着陸直前にメインエンジン1基が破損したトラブルについて、着火のタイミングが遅れ、エンジン内にたまった燃料に引火した衝撃が原因だとする調査結果を明らかにした。同日開かれた文部科学省の専門家部会に報告した。
SLIMは1月20日、月面着陸に成功したが、着陸直前の高度50メートルで、2基あるメインエンジンのうち1基の噴射ノズルが破損し、脱落した。この影響で太陽電池が横に向いた姿勢で着地したため、同28日まで太陽電池による発電ができなかった。
JAXAは、着陸前後の機体データや画像、数値解析などから原因を分析した。その結果、着陸直前のメインエンジン噴射と、多数の補助エンジン噴射のタイミングが重なり、各エンジンへの燃料供給圧力が低下。2基同時に着火するはずのメインエンジンのうち1基が着火しなかった。
約1秒後に補助エンジンの噴射が終わると、燃料圧力が回復して遅れて着火したが、エンジン内にたまっていた燃料に一気に引火したため、過大な衝撃が加わり破損に至ったという。
[時事通信社]
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