駐日米大使に実業家グラス氏=返り咲き支えた対中タカ派―トランプ氏発表
【ワシントン時事】トランプ次期米大統領は16日、次期駐日大使に政権1期目に駐ポルトガル大使を務めたジョージ・グラス氏を充てる人事を発表した。対中強硬派として知られる実業家。トランプ氏は同日の記者会見で「非常に尊敬される人物だ。私たちは日本をとても重視している」と述べた。
グラス氏は長年の大口献金者として1期目からトランプ氏を支えており、「論功行賞」人事とみられる。投資銀行や不動産業の経験が長く、ハイテク産業にも詳しいという。トランプ氏は声明で「ジョージはビジネスの知見を大使の仕事に生かすだろう。彼は常に米国を第一に考える」と期待を示した。
グラス氏はポルトガル大使時代、同国がエネルギー開発など経済分野で中国との関係を強化していたことを問題視。「ポルトガルは同盟国(の米国)か『経済パートナー』の中国か、どちらかを選ばなければならない」と発言し、外交摩擦を生んだこともある。就任すれば、日本にも経済面で対中依存度を下げるよう迫る可能性がある。
西部オレゴン州出身。2016年大統領選では共和党指名争いでジェブ・ブッシュ氏が撤退した後トランプ氏支持に回り、多額の献金を評価され、大使に起用された。
上院の承認を経て就任する。グラス氏は4年近く大使を務めた経験から、承認公聴会は比較的スムーズに運ぶとみられる。日本とのゆかりは深くないもようだが、17年の議会証言録によると、長男夫妻が当時日本に居住していたという。
[時事通信社]
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