2024-12-16 14:24スポーツ

最年少尾崎、チーム支える=エース江村頼み脱却の銅―フェンシング・女子サーブル

フェンシング女子サーブル団体で銅メダルを獲得した日本。左から福島、高嶋、尾崎、江村=8月3日、パリ

 不振のエースを救ったのは、チーム最年少のリザーブ選手だった。
 パリ五輪のフェンシング女子サーブル団体戦。日本は大きな不安を抱えて試合を迎えた。エースの江村美咲(26)=立飛ホールディングス=が、金メダルが期待された個人戦で3回戦敗退。動きは硬く、本調子ではないように映った。
 フランスとの3位決定戦で奮起したのが尾崎世梨(22)=法大=。「盛り上げて、チームに明るい雰囲気を持っていこう」と果敢な攻めで得点を重ねる。3番手では7―10から15―13と逆転。5点を先行して迎えた8番手では、個人金のマノン・アピティブリュネの追い上げをしのいでリードを守り、銅メダル獲得に貢献した。
 世界選手権の個人戦2連覇など、抜きんでた実績を持つ江村。その存在は心強い一方、要所で彼女頼みになってしまうのが課題だった。「想像以上の期待や重圧を背負っていたと思う」。大舞台で苦しむ先輩を見て、芽生えたのは自分がエースを支えるという責任感。「誰かが悪いときは、別の誰かがカバーするのが団体戦」。強い決意を剣に乗せ、チーム最多の19得点をたたき出した。
 日本勢は、他の種目でも尾崎と同じリザーブ選手が活躍した。選手村には滞在できず、期間中はホテルで生活し、個人戦は観客席から見守るだけだった4人の選手たち。「悔しくて、早く試合に出たかった。他のメンバーも同じ思いだったと思う」と尾崎。団体戦に懸ける思いを爆発させるかのように、全員がグラン・パレの舞台で躍動。出場した4種目全てでメダルを手にする躍進の原動力となった。 
[時事通信社]

フェンシング女子サーブル団体3位決定戦で、フランス選手と対戦する尾崎(右)=8月3日、パリ

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