共催と中東の流れ加速=W杯肥大化、市場拡大狙う―FIFA
2026年大会から出場チーム数が32から48に増えるサッカーW杯。肥大化によって招致へのハードルが高くなり、複数国・地域の共催かオイルマネーで潤う中東での開催の流れが加速した。30年はスペイン、ポルトガル、モロッコの共催。34年は国家事業でスポーツ投資を推進するサウジアラビアに決まった。
FIFAの開催基準では、4万人以上を収容できる競技場が最低14会場必要。準決勝は6万人以上、決勝は8万人以上の規模が求められる。出場チームのベースキャンプ施設、観客らの宿泊施設、交通インフラなどの整備も不可欠で、開催にかかる費用は莫大(ばくだい)。50年までのW杯招致を目指す日本も、単独開催は困難と言えよう。
26年は米国、カナダ、メキシコの共催。単独開催できる資金力のある国は、22年大会を成功させたカタールのような中東諸国など一部に限られる。実際、34年はサウジを念頭に置いた招致プロセスを踏んだ。同じ大陸での開催は2大会間隔を空ける原則を踏まえ、FIFAが34年はアジアとオセアニアが対象と発表した直後にサウジが招致の意向を表明。アジア連盟が支持した。
FIFAが拡大路線を進めるのは、新興エリアにもW杯出場のチャンスを広げ、中国や中東などアジア市場を拡大して収益増につなげたい思惑がある。一方で、試合数の増加で選手の負担は増す。大規模な建設事業、大会期間中の移動の増加により、環境への悪影響を指摘する声も上がる。 (ロンドン時事)
[時事通信社]
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