波紋呼ぶ早期容認=大リーグ挑戦の佐々木―プロ野球
11月9日、プロ野球ロッテは佐々木朗希投手(23)がポスティングシステムを利用して米大リーグ移籍を目指すことを容認すると発表した。大リーグの労使協定により、ドラフト対象外で25歳未満の外国人選手は契約金や年俸が低く抑えられたマイナー契約しか結べず、譲渡金はわずか。球団にはマイナスが大きいにもかかわらず夢を後押しすると決めた判断に、さまざまな意見や臆測が飛び交い波紋を呼んだ。
松本尚樹球団本部長は「(入団から)5年間の話の内容、全てを考えて総合的に判断した。本人の思いの強さとか。5年(で容認)というのは全く決めていなかった」と説明。入団時から「密約」があったのかと問われると「実際、本当にない」と否定し、今季終了後に決めたことを強調した。
ただ、佐々木本人は今季を大リーグへの布石のシーズンと位置付けていたように見えた。キャンプイン直前に契約を更改し、1月27日に記者会見でメジャー挑戦への思いを初公表。「まずはそこ(ポスティング)に少しでも近づけるように、今季プレーするしかない」。文句なしの成績を残す決意を口にした。
シーズンを通して活躍するために、オフに体を大きくし、負担の少ない投球フォームを試行錯誤。疲労で登板を一度飛ばし、2週間ぶりに投げた6月8日の広島戦後には、首脳陣の判断に対し「(前週も)僕は投げるつもりでいた」。ローテーションを守れず悔しさをにじませた。
今回、ロッテが高卒5年目でポスティングを認めたことで、大リーグに憧れる選手が追随して早めの渡米を望む可能性を心配する声も。ある球団幹部は「球団によって考え方が違う。方針が変わるかというと…」と言葉を選びながら語った。
[時事通信社]
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