北極圏ツンドラ、CO2排出が吸収上回る NOAA報告
【ワシントンAFP=時事】過去数千年にわたり大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収・貯蔵してきた北極圏のツンドラ(凍土帯)が、温暖化に伴う永久凍土の融解と山火事の発生件数増加によってCO2の排出源に急激に変わりつつあるとする報告書を米海洋大気局(NOAA)が10日、発表した。≪写真はロシア・ヤクーツクから南へ約70kmの集落付近で湖から氷を取る村人≫
NOAAのリック・スピンラッド局長は、「私たちの観測によると、温暖化と山火事の増加に伴い、北極圏のツンドラでは現在、CO2の放出量が貯蔵量よりも多い。それにより、気候変動への影響も悪化するだろう」と指摘した。
発表は、2001~2020年までの観測記録の平均値に基づいている。
温暖化は北極圏に二重の影響を及ぼす。植物の成長を促し、大気中からのCO2除去が進む一方で、地表の温度を上昇させ、永久凍土の融解を引き起こす。
永久凍土が融解すると、凍土に閉じ込められていたCO2が放出され、さらに微生物の分解によって温室効果ガスのCO2やメタンが放出される。
同報告書によれば、アラスカの永久凍土では今年、観測史上2番目に高い温度が記録された。【翻訳編集AFPBBNews】
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