水牛やヤギ2万頭いけにえ=「虐殺」批判の儀式決行へ―ネパール
【ニューデリー時事】ネパールで多数の家畜をいけにえにする5年に1度の「ガディマイ祭り」が始まった。8日から動物を斬首してささげる儀式が行われ、水牛約1万2000頭、ヤギ約8000頭が犠牲になる見通し。いけにえの数は世界最大規模とされ、「虐殺だ」として国際的批判を浴びる中、主催者は伝統を理由に決行する予定だ。
祭りはインド国境に近い南部バリヤプールにあるヒンズー教一派の寺院で2~11日に開催。水牛とヤギに加え、ヒツジやハトも集め、同教の女神ガディマイに供えるため「く」の字形の刃物を使って生きたまま首を切る。
動物愛護団体ヒューマン・ソサエティー・インターナショナルによれば、前回2019年は推定25万の動物が殺された。09年の同50万から半減し、減少傾向にはある。同団体のインド支部代表は11月の記者会見で「非常に時代遅れで、今日の社会に存在できる余地はない」と訴えた。
一方、祭りの実行委員会幹部は時事通信の取材に「人々には深い信仰があり、動物を犠牲にすれば女神が夢と願いをかなえてくれると信じている。130年以上続く宗教的実践を止めることはできない」と語った。
ネパール最高裁は、いけにえの将来的な廃止に向け措置を取るよう政府に命じているが、祭りの初日には副大統領も出席した。犠牲となる動物の多くが隣国インドから違法に持ち込まれており、同国警察は国境付近に検問所を設け、移送を防ごうとしている。
[時事通信社]
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